本記事では、マレーシア サラワク州クチンの街にあるオランウータンの保護施設「セメンゴ ワイルドライフ リハビリテーションセンター/Semenggoh Wildlife Rehabilitation Center」について、実際に見学・撮影してきた写真とともに施設の様子を紹介します。
オランウータンとは
オランウータンとは、ボルネオ島・スマトラ島の豊かな熱帯の森のみに生息するヒト科オランウータン属の大型類人猿。大昔は東南アジアに広く分布していたようですが、現在はこのエリアのみの固有種となっています。
- Orang オラン=人
- Hutan ウータン=森
オランウータンはマレー語で「森の人」という意味があります。
森林伐採が進み、過去100年間の間に80%が減少したといわれ絶滅危惧種として保護活動が行われている種でもあります。
セメンゴ ワイルドライフ リハビリテーションセンター 情報
施設の概要
クチン観光の中心部、ウォーターフロント周辺からは車で南に約40分の距離にある「セメンゴ ワイルドライフ リハビリテーションセンター/Semenggoh Wildlife Rehabilitation Center」は、1975年に設立されたサラワク州最大のオランウータンの保護活動を行う施設です。
進む森林伐採で住む場所を奪われ、その数が減ってしまったボルネオ島の野生のオランウータンは絶滅危惧種とも言われています。
森で負傷したり、母親とはぐれ孤児になったり、ペットとして不法に飼われたりした野生のオランウータンたちを保護し、森に帰れるよう保護エリアでお世話をしている施設。
1日2回の餌やり見学
ケガなどが無い限り、できるだけ自然の状態で保護活動を行っているため動物園とは異なり柵などはなく、オランウータンたちは森の中を自由に動き回っています。
1日2回餌やりの時間があり、訪問者はその時間に合わせて施設の森と餌やりの様子を見学することが出来ます。
餌のもらえる時間になるとオランウータンたちが餌場に自らやってくるのを待ちます。そのため必ずオランウータンたちが現れるとも限らないのだそうです。
私たちの訪問時
私たちは、日曜日の午後の部に訪問。たくさんの野生オランウータンたちに出会うことができました。その時の様子を含め、訪問の流れなどをこの記事で紹介します。
道のり
クチンの中心街ウォーターフロント周辺からは車で約40分。私たちはレンタカーを借りていたのでナビで向かいました。いたる所に看板が沢山立っているので道も分かりやすいです。
※クチン中心部から無料のバスでアクセスも可能です。情報は記事下部に記載していますので参考にどうぞ。
入場チケット購入
見学時間
施設の入り口にある小さな建物がチケット売り場です。こちらの施設は見学時間が限られているため、時間外に訪問してしまわないように要注意です。
- 午前の部 AM8:00-AM10:00
午前フィーディングタイム AM9:00~ - 午後の部 PM2:00-PM4:00
午後フィーディングタイム PM3:00~
▲チケットは事前予約や事前購入は無く、こちらのカウンターでの購入のみ。
チケット売り場駐車場
この駐車場に停めてチケットを買いますが、ここに停めるのは一時利用でセンターまではまた車で向かいます。
チケット代金
- 大人/シニア RM10(約300円)
- 子ども(6~17才)/障がい者 RM5(約150円)
- 6才以下 無料
※外国人料金
※RM1=30円で換算した場合
▲外国人料金が左、ローカル料金は右の通りです。
▼チケットはここで買ったら、このあと特に提示することなかった気がするので、カバンにしまってしまっても良いかと。
センターまでの道のり
下記地図の通り、チケット売り場からセンターまでは距離があります。タクシーなどを使う場合はチケット売り場で一時的に待ってもらい購入後センターの場所まで乗っていくほうが良いと思います。
▼センターまでの道にはこの森で暮らすオランウータンたちの写真が並びます。植物園などもあるようなので興味のある方は歩いても。(徒歩だと恐らく片道20分位かな?)
センター手前駐車場
車の場合はここに駐車できます。
セメンゴワイルドライフセンター
私たちはセンターへPM2:30頃到着しました。すでにたくさんの見学客が集まっています。なんと、このすぐ隣の木にもう野生のオランウータンが登場して湧き上がっていました!
レンジャーからの注意事項説明
センターのレンジャースタッフから、施設の概要やオランウータンたちのこと、見学にあたり気を付けて欲しい事の事前説明があります。
大きな声を出さずに静かに過ごしてほしいこと、勝手に食べ物などをあげてはいけないこと、頭上に注意、などなど。レンジャーたちの指示に従いましょう。
レンジャーの指示のもと、森の中へ向かいます。訪問者が見学中は安全のため、彼らがいろんな場所にいてくれているので安心できます。分からない事や聞きたいことも直接聞くこともできますよ。
フィーディングエリア(1つ目)
まず1つめのフィーディングエリア(餌やり場)に到着。こんな感じで広くて座れるスペースもあります。見学者たちはオランウータンたちを驚かせないよう、静かに待ちます。
フィーディングタイム
餌やりが始まる時間になると、早速オランウータンの親子が現れました。レンジャーの方によると、皆時間を覚えているので近くで待機しているんだとか。
お母さんウータンには小さな赤ちゃんもしがみついていて、めっっちゃくちゃ可愛かったです。
その後も続々2頭ほどやってきました。1頭は餌をつかんだらすぐに森に去ってしまいましたが、もう1頭はロープに座ってこちら側をちらちら気にしながらも、ひたすらバナナをむさぼり続けていてもうすごく可愛くて癒されました。
他の子は皮を吐き捨てるスタイルだったけど、この子は人間みたいにむいて食べてるね。
オランウータンたちにも性格があって、バナナの食べ方ひとつとっても違くて癒される~かわいい。
フィーディングエリア(2つ目)
レンジャーの方にもう一カ所にもオランウータン来てるよ!と案内され、もう一カ所も見に行きました。
レンジャーの方々はトランシーバーなどでいろんな場所のレンジャーたちと連携してオランウータンの出現情報を共有してくれるよ。
こちらにも、別の親子がごはんをもらいにやってきていました。ここではエサを手渡ししていました。
さっきの場所よりすごい近い距離だねここは!
若いオランウータンほど色が明るめで、大人になればなるほど色が濃くなっていくのだとか。特にオスは体毛が長くなるのが特徴なのだそう。
オランウータンが乳離れするのは3才くらい。人間の赤ちゃんよりも少し長いんですね。
オランウータン情報
センターには他にも、センターでの活動内容やオランウータンの生態についての資料などもありオスやメスの見分け方、ボルネオ島やスマトラ島の生息地や種の違いなども学ぶことができます。
他にもみられる動植物たち
オランウータンの他にも、森では貴重な動植物たちに出会うことができます。例えばカメさん。
サラワク州名物の胡椒の木も見つけました。(緑の実がなってた!)
所在地
Semenggoh Wildlife Rehabilitation Center, Kuching, Sarawak.
住所:KM 20, Borneo Highland Road, 93250 Kuching, Sarawak
アクセス
クチン中心街(ウォーターフロントエリア)からセンターまでは車・タクシーで約40分。
クチン空港からセンターまでは車・タクシーで約20分。
〈車/駐車スペース〉
チケット売り場・センター手前にそれぞれ駐車場あり
オプショナルツアー情報
ツアーを使えばホテルからの往復送迎・チケット購入・ガイドも全てお任せでスムーズに楽々観光できます。
クチン発 絶滅危惧種オランウータンに会いに行こう!! セメンゴ野生動物センター半日ツアー <往復送迎/日本語ガイド>
無料バスでのアクセス方法
セメンゴ ワイルドライフ リハビリテーションセンターまでは、街の中心地から無料のバス「kuching Metro ルート103」で往復することができます。
行き・帰り共にセンターの営業時間に合わせて運航されているので、急がずゆっくりでも良い方はバスを利用するのがお得で便利だと思います。
ただ、バスは片道2時間ほどかかるようなので急いでいる方や時間が限られる場合にはあまり推奨できないですね。
時刻表など詳しくはこちらから→「Kuching Metro Schedule & Map」※ページ下部にある4枚のスライドPDFが参考になります。
営業時間
- 午前の部 AM8:00-AM10:00
午前フィーディングタイム AM9:00~ - 午後の部 PM2:00-PM4:00
午後フィーディングタイム PM3:00~
※ちなみに私たちは午後に訪問しましたが、3時ではなくなぜか2:45くらいからフィーディングタイム始まったので、できるだけ早めに行くほうが見逃さないと思います!(早めがおすすめ)
まとめ
マレーシアではボルネオ島でしか見ることのできない野生のオランウータン。数が減っているながらも、保護活動を行うセンターでは運よくたくさんのオランウータンたちに出会うことができました。
オランウータンについていろいろ学ぶこともでき、さらにバナナをむさぼるかわいらしい姿や、自然の風景にも癒されました。
入場料もセンターの保護活動の支援になるので、中心街からは少し離れた場所ですがオランウータンに興味があってクチンで時間がある方にはぜひおすすめしたい観光スポットのひとつです。
クチンへの旅行や観光スポットの情報収集をされている方へ、記事の内容が参考になれば幸いです。
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