本記事では、マレーシア クアラルンプールにある美術館「マレーシア・イスラム美術館 Islamic Arts Museum Malaysia」について、建物内の様子や見どころのポイントなど撮影してきた写真とともに紹介します。
マレーシア・イスラム美術館 情報
概要・歴史
マレーシア・イスラム美術館(英名:Islamic Arts Museum Malaysia)は、東南アジアを代表するイスラム美術館として1998年にクアラルンプールに開館。
世界各地から集められた1万点を超えるイスラム教に関連する美術コレクションが展示されています。
展示されているコレクションはペルシャ・イラン・トルコなどをはじめとする中東地域から、中国、インド、東南アジアと幅広く、館内展示はテーマや地域ごとに全12の常設ギャラリーから構成されています。
各地域の文化とイスラム文化の融合もとても興味深いポイント。イスラム美術や歴史に少しでも興味があるなら、クアラルンプール観光でぜひマストでおすすめしたい美術館だよ。
外観・エントランス
美術館は近代建築でモダンスタイルの白い建物。こちらが正面エントランス。(詳しいアクセス情報は記事後半へ)
エントランス前の柱部分は細かなアラベスク模様が美しい青のモザイクタイルで囲われています。
人気の定番撮影スポットだにゃ
メインロビー
メインロビー正面のカウンターでチケットを購入します。
イスラム教モスクを見学する際女性は肌や髪を隠すなどのドレスコードがありますが、美術館には特にドレスコードはありません。
とは言え館内は涼しいし露出は控えた格好をおすすめ。
チケット代金
チケット代の支払いは現金ほかカード払いも可。
- 大人:RM20(約600円)
※外国人・マレーシア人共通価格 - 18才以下の学生およびシニア:RM10(約300円)
※マレーシア人のみと記載あり。各VISA・ID等で外国人の適用有無は未確認。 - 6才以下:無料
※RM1=30円で換算した場合の参考価格を併記
チケットを購入したらカウンター向かって右側にあるエレベーターをつかって1st FLOORへ。
美術館のギャラリーゾーンは1st/2ndフロア(1F/2F)部分です。
全12の常設ギャラリー
順路に沿って各ギャラリーの概要や展示物を紹介をしていきます。
各ギャラリーについて所々公式サイトから引用した簡単な説明も入れてるので美術館見学時の参考にもしてね。
美術館見どころの5つの天井ドームもピックアップして紹介してるにゃ
①Architecture Gallery
世界中の著名なモスクやイスラム建築の縮尺展示、建築物の一部が展示されています。
イスラム教徒にとって最も重要な聖地、サウジアラビアのメッカにあるハッジ(巡礼)の一部となるモスク、マスジド・ハラーム。
イスラム建築の代表格インドのタージ・マハル。
個人的に一番興味深かったのは、中国西安のモスク西安大清真寺。
唐の時代、シルクロードに位置していた西安には中国人イスラム教徒がたくさんいるのだそう。
クアラトレンガヌのTTI公園にもここのミナレットを再現した建物があるよ。いつか西安へも行ってみたいな
セラミックタイルの一部が壁一面に。
イスラム教では偶像崇拝を禁じているため、装飾デザインには主に花柄や幾何学柄などが用いられます。
ですが、左側には有名な文学作品のシーンとされる人物柄のタイルも残っています。(レア!)
オスマン帝国時代シリアの裕福な商人たちの豪華な居間を再現したお部屋。
②Quran & Manuscript Gallery
世界中に残された手描きのコーラン(イスラム教の聖典、神の言葉をアラビア語で記したもの)が多数展示されています。
その細かさもさることながら、画の美しさに惹き込まれます。
驚くのは、展示の冊子すべてがたった見開きの2ページであるという事実。膨大なページ数があるのよ?
こちらはミニチュアサイズのコーラン。主に持ち歩く目的で作成されたそうですがその文字の細かさは必見!
③India Gallery/④China Gallery/⑤Malay Gallery
インド・中国・マレーとそれぞれ地域別にイスラムと関連する工芸・美術品が展示されるエリア。
それぞれ元々の文化とイスラム文化とが融合したデザインも見どころ。
壁面にはマレーシア・東南アジア地域へのイスラム教伝播の歴史が年表形式に。
⑥Jewellery Gallery
煌びやかで美しいジュエリーの数々が展示されています。古代中東トルコ・ペルシャの影響を受けたデザインが多数。
たくさんの宝石がちりばめられた王冠。今回表紙の写真に使わせていただきました。
手鏡やナイフなど生活の小さな小道具の装飾、細かなフィリグリー。
階段をのぼってさらに上の階へ展示が続きます。(エレベーター移動も可能)
⑦Textile Gallery
イスラム地域で着用・使用されたテキスタイル・衣装・刺しゅう・織物・礼拝用マットなどが展示されています。
⑧Living with Wood Gallery
建築・装飾には欠かせない木材を使った見事な家具・調度品が並び、部屋のようになっているギャラリー。
衣装類の刺しゅうも素晴らしいし、螺鈿や象牙細工の装飾が細かい家具たちにも目を奪われてしまうよ。
まさに職人技の宝石箱っっ!
⑨Arms & Armour Gallery
イスラム世界で使われてきた伝統的な武器類が展示されています。イスラム戦士たちが使っていたデザイン性の高い武器たちに注目です。
⑩Coin & Seal Gallery
歴史ある古い硬貨や印鑑が展示されています。
硬貨は、宗教的および政治的メッセージを広める効果的なツールとしても使用され、当時の権力者たちの名前の入ったものが多く残されているのだそうです。
⑪Metalwork Gallery
伝統的なイスラム装飾柄の入った金属加工品や食器類などが展示されています。
古代の物は主にこの時代に技術を持っていたイラン製のものが多いのだそう。
⑫Ceramics Gallery
イスラム地域で使用された陶磁器製品が展示されています。
陶磁器のデザインに関しては中国やヨーロッパ各国からの影響を大きく受けたと考えられる作品が多くみつかっているそう。
イランターコイズの塗料を使った鮮やかな陶磁器やタイルなど
以上で、各常設ギャラリーの紹介は終わりです。このほかにも期間限定の特別展示を行っていることもあります。
見学が終わったら階段・スロープ・エレベーターなどを利用して下の階グランドフロアへ。
グランドフロア
こちらのフロアは、美術館の入館料を払わなくても一般公開で入れるエリア。カフェレストランやミュージアムショップもこのフロアにあります。
カフェレストラン MOZA
美術館のイメージをそのままに内装装飾も素敵なカフェレストラン。
落ち着いた雰囲気なので、見学後のひとやすみにもおすすめ。
ミュージアムショップ IAMM Shop
美術館のミュージアムショップ。素敵なオリジナル商品がたくさん並んでいるのでお土産調達にもおすすめです。
ミュージアムショップについて詳しくは個別記事にて、売っている商品・おすすめの商品などを紹介しています。
所在地
マレーシア・イスラム美術館 Islamic Arts Museum Malaysia
住所:Islamic Arts Museum Malaysia, Jalan Lembah, Tasik Perdana, 50480 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
アクセス
〈公共交通〉
鉄道:LRT/MRT線 Pasar Seni駅から徒歩約10分。KTM Komuter/ETS線 Kuala Lumpur駅から徒歩約5分。
バス:GOKL CityBus、KL Hop-On Hop-Off Busどちらの場合もMasjid Negara(National Mosque)駅にて下車後徒歩約3分。
〈タクシー/Grab等〉
KL Sentral駅から車・タクシーで約5分※渋滞状況による
〈車/駐車スペース〉
▼美術館正面入り口横に無料駐車スペースあり。
営業時間
年中無休 9:30am – 6:00pm
※最終入場は5:30pmまでとなります
※ラマダーン期間中は最終入場が4:30pmまでと短縮営業なっています。
※イスラム暦の祝日(ハリラヤプアサ・ハリラヤハジ)は休館となりますのでご注意を。
参考:2023年は4/22、4/23、6/29と予想されています(変わる場合あり)
まとめ
様々なテーマの美術品・工芸品・展示品などから世界各国のイスラム文化の歴史や変化をみることができるだけでなく、建物内の空間や装飾の美しさにもうっとりする美術館。
イスラム教とひとことで言ってもその伝播の歴史は古く、様々な国の文化との融合や時代の流れとともに変わったものもあれば変わらないものもあり、興味深く大変勉強になります。
世界史・イスラム教・モスク・イスラム建築・イスラム美術に興味のある方にはぜひおすすめしたい観光スポットです!
クアラルンプール観光の参考になれば嬉しいです!
\イスラム教についてマンガでふれる/
これまで当ブログの記事に記したモスク巡りの記録はここから
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