本記事では、2021年8月現在のクアラルンプール市議会(DBKL)の公式サイトに記載されている「クアラルンプール市内で犬を飼う場合のルール(規則・法律)」について、日本語で分かりやすいよう簡単にまとめた内容を書いていきます。
これから飼い犬を連れてマレーシアへのお引越しを考えている方や、マレーシアでペットとして犬をお迎えしたいと考えている方など、マレーシアで犬と暮らすための情報収集の参考になれば幸いです。
飼育が禁止されている犬種
クアラルンプールで飼育が禁止されている具体的な犬種名が記載されています。(これらの犬種は居住タイプに関わらず飼育が禁止されているようです)
- ピット・ブル・テリア/ピットブル(アメリカン・ピット・ブル、アメリカン・ピット・ブル・テリア、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア、スタッフォード・ブル・テリア)
- アメリカンブルドッグ
- ナポリタン・マスティフ
- 土佐犬
- 秋田犬
- ドゴ・アルヘンティーノ
- ブラジリアン・ガード・ドッグ
飼育が許可されている犬種(コンドミニアム等)
クアラルンプールの高層コンドミニアムでの飼育が許可されている具体的な犬種名が記載されています。 全て小型犬です。
- ミニチュア・ピンシャー
- ビション・フリーゼ
- ペキニーズ
- パピヨン
- プードル(トイ・プードル)
- ジャパニーズ・チン
- マルチーズ
- ポメラニアン
- チワワ
犬を飼う場合ライセンス取得が必須
市の法律条例で許可されている犬種を飼う場合も、必ずライセンス(飼育許可の免許)を取得する必要があります。もしライセンスを取得せずに犬を飼育していることが発覚した場合や、事故や事件などが発生した場合、多額の罰金や刑罰が科せられる可能性があります。
ライセンスの取得の方法(手順)は、まずオンラインにて申請書を作成します。(申請が許可されるまでは14営業日以内とのこと)申請が許可されたら、請求書を印刷します。申請料金の支払いを、最寄りのDBKL (Dewan Bandaraya Kuala Lumpur) クアラルンプール市庁舎/市役所にて行います。申請料金は10RM(日本円約260円)で、有効期限は1年間(毎年更新する必要あり)その場で犬のバッジと領収書を受け取り、申請完了となります。申請時には、居住しているコンドミニアムの許可証を一緒に提出する必要がある場合もあるようですので、まずはお住まいのコンドミニアムのマネジメントオフィスに問い合わせてみましょう。
飼育が許可される条件
クアラルンプール市内の高層コンドミニアムにおいて、飼育が許可されるのは一物件につき小型犬一匹までと定められていると記載されています。
飼育する犬について、以下のような行動や迷惑行為が無いように、飼い主は十分気を付けて世話および注意をする必要があると記載があります。
- 犬が公共物に対して破損・損害を与えたり、一般の民間人やコンドミニアムの住人に健康面や安全面での危害を与えたり、怪我を負わせたりすること。
- 犬が昼夜問わず騒音を発生させ、コンドミニアムの他の住民の生活に支障をきたすこと。
- 犬が飼い主の監督なしの状態でコンドミニアムの敷地内や周辺を歩き回ること。
- 犬が攻撃的な態度や行動をとり、一般の民間人やコンドミニアムの住人対して危険を引き起こす・危険を感じさせること。
さらに、以下の項目も守る必要があると記載があります。
- 飼い犬は飼い主の家とその周辺でのみ飼う必要がある。
- 犬の飼い主はコンドミニアムのエレベーターを使用してのみ犬を建物から連れ出すことができ、犬は常に監督・監視されている必要がある。
- 犬は公共の場所で排尿または排便することを許可されておらず、その場合、飼い主は犬の排せつ物を処理・処分する責任を負わなければならない。
法律に違反した場合
許可されていない犬種を飼育していることが発覚した場合、市が犬を押収し、処分することになります。
また、許可された犬種を飼育する場合でも、前述している「飼育が許可される条件」の内容に違反した場合は、コンドミニアムのマネジメントオフィスからの書面による通知を受け取ってから3日以内に、該当する飼い犬をコンドミニアムの建物内から取り除かなければなりません。
従わない場合、マネジメントオフィスは該当の犬を建物内から取り除くために必要とされる措置をとることができます。その際に発生したすべての費用は、飼い主側に請求されるものとします。また、 該当の犬を建物内から取り除くために必要とされる措置をとる過程で飼い主の財産に合理的に生じるいかなる損害について、マネジメントオフィス側は責任を負わないものとします。
コンドミニアムの規約と市の法律が違っている場合は?
コンドミニアムの規約では飼育が許可されていて、居住地域の条例・法律で飼育に規制がある場合。または逆のパターンで、コンドミニアムの規約では飼育が許可されていないが、 居住地域の条例・法律では飼育が許可されている場合 。どちらの決まりが優先されるのか?というところは、 地方自治体のルールの方が効力が強いため「居住地域の条例・法律」が優先されることになります。
ただ、どちらの場合でもトラブルの発生リスクがあるので、もし犬を飼う・犬と暮らすことを考えている場合はどちらのルールでも許可されている地域・物件を選ぶ方が安全だと思います。
参考:クアラルンプール以外の地域について
下記の2つの地域について、Property GeruのWebサイトにて情報の記載がありましたので、そちらのページからの情報を引用して記載します。
スバンジャヤ地区/Subang Jaya Municipal Council (MPSJ)
✓犬の飼育は許可されています。しかし、近隣住人からの苦情が発生する場合は、物件のマネジメント側が必要とされる措置をとることができます。 また、この問題については物件独自に規約を作成することができます。
上記のように記載がありますが、これだけみると、どちらかというと物件のマネジメント側に判断を委ねているというようなニュアンスのように感じますね。
ペタリンジャヤ地区/Petaling Jaya City Council (MBPJ)
✓ 高層コンドミニアムの場合、犬はGround Floor(1階)の物件でのみ許可されます。
上記のように記載がありますが、高層コンドミニアムで1階に賃貸物件のある建物ってなかなかなさそうな気がします…大きなところだとほとんどが1階は入口やレセプションだったりしますよね。少し規模が小さめのコンドミニアムやアパートならこちらの条件に該当するかもしれませんね。
まとめ
クアラルンプールの高層コンドミニアムで禁止されている&許可されている犬種や条件について、かなり細かく規定されているのに驚きました。クアラルンプール市内は、小型犬であれば1匹までなら高層コンドミニアムでの飼育も許可されているんですね。ということは、クアラルンプールのコンドミニアムの場合は、コンドミニアム独自の規定で飼育が禁止と明言されていない限りは、どのコンドミニアムでも飼育しても法律的観点からみると問題ないということになりますね。スバンジャヤ地区でも、数年前の情報ではコンドミニアムでの犬の飼育は禁止と明示されていたようですが、今回リサーチした際の最新の情報では許可されている、という風に規定が変わっていました。マレーシアはイスラム国家ではあるものの、特に都心部では多くの外国人が住んでいることや民族の多様化・国際化などで犬に対する考え方や状況も変わってきているということのあらわれなのではないでしょうか。
マレーシアで飼える犬の情報を調べている方や探している方の参考になればうれしいです!
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